
Technology
技術
当社の6つの事業領域を支えておりますのは、振動および音を構造で抑制すること、繰り返しの圧力に対して漏れを生じさせないこと、難削材を歪ませることなく加工し切ることの3つの技術です。艦艇向けに確立したこれらの技術が航空・陸上・宇宙の各領域においても同様に求められたことから、当社の事業領域は6つへと広がってまいりました。なお、いずれの技術につきましても、実測値に基づいて性能をご説明できることを要件としております。

T-01 / Acoustic Signature Control
音響シグネチャ制御
当社は、機械が発生する振動および音を、構造によって抑制する技術に取り組んでおります。
深水槽において測定が可能な対象は、供試体単体の水中音圧および伝達特性であり、搭載状態における放射音そのものではないことから、当社は両者を別個のものとして取り扱っております。
回転機械の振動は架台を経て船体構造へ伝搬しますが、静粛化マウントはこの固体伝搬の経路を遮断する役割を担っております。低周波域までの低減を図るにあたっては系の固有振動数を下げる必要があり、そのために支持剛性を低下させますと、耐荷重および許容変位の制約に抵触することとなるため、両者の両立が課題となっておりました。当社は制振合金の内部損失と、周期構造により特定帯域の伝搬を妨げる音響メタマテリアルとを組み合わせることにより、支持剛性を確保したまま伝達経路そのものを低減する構成に到達しております。なお、効果の確認は、同一形状の供試体を同一の加振条件で比較する社内試験によるものであり、自社2020年初期構造との比較において、特定帯域の水中音圧に14dBの低減を確認しております。
- 水中音圧低減 ※
- −14dB
- 深水槽
- φ8.0×12.0m
- 測定・設計の往復
- 2023年〜
※ 同一形状の供試体・同一加振条件で自社2020年初期構造と比較した社内試験値。特定帯域における値であり、帯域および試験条件は非開示です。搭載状態での放射音を示すものではありません。艦艇向けに確立した同じ制振設計は、現在は航空機搭載機器および車両搭載電子機器のマウントにも適用しています。

T-02 / Deep-Pressure Sealing
超高圧シール機構
1回の止水そのものは特段の困難を伴うものではありませんが、繰返し30,000回目においても漏れが生じないことの保証となりますと、難度は大きく異なります。当社は、この要求への対応を前提として設計および製造に取り組んでおります。
溝断面・面粗度・締結力は相互に依存しており、いずれか一つを変更した場合には残る要素の成立範囲も変動することから、設計計算のみでは条件を絞り込むことができず、試験本数が開発工数の大半を占めております。
高い圧力を止めることのみであれば、締結力の増大により成立します。技術的な課題は、加圧と除圧を繰り返す部位への対応にあり、シール材は圧縮永久ひずみによって次第に復元しなくなるうえ、締結力を高めれば摺動面に焼付きが生じ、これを低下させれば内圧により開口が生じることとなります。したがって、設計寿命の全期間にわたる保証にあたりましては、材料単体の特性に加え、溝断面・面粗度・締付管理を含めた系全体としての作り込みが必要となりました。当社は変形を織り込んだうえで接触圧が均一に残る断面へ収束させ、社内の水圧試験装置により検証を行っております。
- 試験圧力 ※
- 120MPa
- 繰返し検証条件 ※
- 60MPa
- 繰返し
- 30,000cyc
※ いずれも当社の社内試験装置の能力および試験条件です。個々の納入部位の運用条件を示すものではありません。実際の条件は案件ごとの要求仕様によります。上記条件下で、規定の検出方法による漏れは検出されていません。

T-03 / Sub-micron Machining
サブミクロン複合加工
当社は、難削材について歪みを生じさせることなく加工するための工程管理に取り組んでおります。
図面の公差を満たしている場合であっても、測定を実施した時点が異なれば結果は変動するため、当社は加工後の経過時間および測定環境に至るまでを作業標準に含めております。
チタン合金およびインコネルは熱伝導率が低いことから、切削熱が刃先と被削材に残留します。このため、加工直後に寸法が出ている場合であっても、冷却の過程において寸法が変化します。素材内部の残留応力につきましても同様であり、荒加工によって拘束が解放されれば形状が変化します。当社は工程を荒加工・応力除去・中仕上げ・安定化・仕上げに区分し、仕上げに先立ち、恒温環境において寸法が安定するまで静置する時間を工程として確保しております。加工室および測定室はいずれも20±0.5℃に管理しており、さらに5軸複合機の採用により段取り替えを低減し、基準面を一度しか作成しない工程へ組み替えております。
- 真円度 ※
- 0.0008mm
- 面粗度 ※
- Ra 0.05μm
- 恒温管理
- 20 ±0.5℃
※ シール溝・軸受面などの機能面における到達値で、真円度は真円度・円筒形状測定機、面粗度は表面粗さ測定機による評価値です(いずれも恒温測定室)。寸法・位置度は門型三次元測定機で測定します。最大φ2,400mmの大径部材は自重によるたわみと支持の取り方が寸法を支配するため、機能面の精度とは分け、形状精度と位置度で管理しています。
Equipment
主要設備
設計検証から出荷前確認までの一連の工程を外注によらず自社で完結できる体制を有していることが、当社が実測値に基づき性能をご説明できる理由です。また、計測器のトレーサブルな外部校正、ならびに官側およびプライムメーカー立会いによる試験にも対応しております。
加工
| 5軸複合加工機(大径機) | φ2,400 × H1,200 mm / 2台 |
| 5軸マシニングセンタ | 800 × 800 × 700 mm / 9台 |
| 精密立形旋盤 | φ1,600 mm / 3台 |
| ワイヤ放電加工機 | ±0.002 mm / 4台 |
| 恒温加工室 | 20 ±0.5 ℃ / 620 ㎡ |
計測
| 真円度・円筒形状測定機 | 回転精度 0.02 μm / φ700 mm |
| 表面粗さ・輪郭形状測定機 | 分解能 Rz 0.01 μm |
| 門型三次元測定機 | 測定精度 3.5 + L/300 μm |
| 恒温測定室 | 20 ±0.2 ℃ / クラス100,000 |
試験
| 深水槽(音響計測) | φ8.0 × 深さ12.0 m |
| 水圧試験装置 | 最大 120 MPa / φ1,800 mm |
| 動電型振動試験機 | 最大 35 kN / 5–2,000 Hz |
| 電気油圧加振機 | 最大 98 kN / 1–200 Hz |
| 衝撃試験装置 | 最大 100 G / 半正弦波 |

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当社は、要求仕様が定まっていない段階からの参画につきましても承っております。また、試験・計測事業におきましては、当社設備を用いた受託試験にも対応いたします。